広い範囲から見ればハロンもフロンの仲間に含まれるでしょう。しかし、消火能力の素晴らしさや汚損の少ないクリーンな物性から、優秀な消火剤として世界的に使われてきました。この消火剤として使用する場合の国際的な呼称が「ハロン」です。
ハロンは消火剤が主用途ということです。一方、フロンはエアコンや冷蔵庫の冷媒、断熱材等の発泡用ガス(フォーム)、精密機器の洗浄剤、スプレーの圧力源などに多く使われてきました。
オゾン層を保護するためのモントリオール議定書の規制物質として下記のように挙げられています。
モントリオール議定書に規定されている規制物質
モントリオール議定書でハロンの生産は規制されましたが、必要不可欠分野への使用(クリティカルユース)については規制が除外されています。日本でのクリティカルユースは、2000年に政府がUNEPに提出した「国家ハロンマネジメント戦略」に明示されています。これを受けて、消防庁通知「ハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について(平成13年 消防予第155号・消防危第61号)」【平成26年11月13日 消防予第466号・消防危第261号 にて一部改正】に、クリティカルユースの判断方法が示されています。
人命安全等の観点から必要な用途には、ハロンの新規設置ができます。また、既設容器への充てんもクリティカルユースとなります。
なお、ハロン1301は、新規に生産できない貴重な消火剤なので、回収されたものをリサイクル活用しています。
ハロンの使用については、総務省消防庁ホームページの「よくあるご質問」に掲載されていますので、参照ください。
2013年度に開催した「ハロン消火剤の将来展望に関する検討会」において、ハロン消火剤の将来予測を行いました。結果、「現在よりおよそ70~100年間は十分に供給できると考えられる。」との結論を得ています。概要をまとめたリーフレットがありますので活用ください。
また、供給を受ける際は、早めに消火設備等の業者に確認することをお勧めします。
ハロン1301は、貴重な資源ですから再利用しています。詳細は、消防環境ネットワーク、または消防設備等を設置した業者にお問い合わせください。
容器が古くなって劣化するとハロン消火剤が漏洩するおそれがあります。使用する予定がなければ、撤去されることをお奨めします。
原則的に設置した業者(防災メーカ)が回収します。
設置されている住所、建物の名称、出来ましたらボンベの本数を教えていただければ、当ネットワークのデータベースで特定出来ます。
データベースに登録されていなければ、ホームページ内の『不要となったガス系消火剤の回収にご協力下さい』の手順で業者、連絡先を知る事が出来ます。(ご希望でしたら、Faxいたします。)
各業者によって異なりますが、撤去費、運搬費、ボンベ等の処理費の実費が掛かります。業者にお問い合せ下さい。又、破壊の場合は、破壊業者をご紹介しますので、お問い合せください。
回収する業者が行います。『データベース報告書(回収)』を提出していただきますと、ハロン管理委員会より、所轄の消防本部に報告いたします。(無料)
ご要望があれば『ハロン容器等の回収済報告書』を有料で発行いたします。
ハロン1301消火器は廃消火器リサイクルシステムで回収しています。消火器リサイクル窓口を消火器リサイクル推進センターのホームページから検索するか、コールセンター(03-5829-6773)へお問い合せください。
その他のハロン消火器については、消火器の銘板(ラベル)に書かれているメーカーにお問い合せください。
ハロン容器は、廃棄物処理法においてマニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行が義務付けられている産業廃棄物ではありませんので、マニェストは必要ありませんがハロン容器を廃棄する場合は、高圧ガス保安法により、所有者に“くず化”が義務付けられており、“くず化”してはじめて産業廃棄物となります。“くず化”は、専門業者(消火設備業者等)に依頼することになりますが、その際に「高圧ガス保安法に基づき容器を廃棄した旨の証明書」の提出を依頼されることをお奨めします。なお、“くず化”したものが古金属として再利用される場合は、一般的にはマニフェストが不要になりますので、排出場所の管轄行政へ確認してください。
申請様式3-2を提出していただければ、新しいシールを無償で提供いたします。
ご要望があれば『ガス系消火剤(ハロンを除く)登録済通知書』を有料で発行いたします。
ハロンを除くガス系消火剤の登録制度が始まる(2006年)以前に設置された設備ですので、申請様式4-1による届出をお願いします。
補充はできます。A2を参照ください。
申請様式3-5「設置ガス・補充ガス供給申請書」3部と申請様式3-4「放出後処置報告書」1部に、所定の申請手数料を添えて、消防環境ネットワークまで提出してください。その他詳細は、「ハロンの供給を受けるときは」のページを参照ください。
消防庁通知「ハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について」の一部改正について(平成26年11月13日 消防予第466号・消防危第261号)」に、人命安全等の観点からハロンの設置を必要とする用途(クリティカルユース)の判断方法及び用途例が示されていますので、参照ください。
供給の確認を必要とする日の40日前までに、申請様式3-5「設置ガス・補充ガス供給申請書」3部に所定の申請手数料を添えて、消防環境ネットワークまで提出してください。その他詳細は、「ハロンの供給を受けるときは」のページを参照ください。
ISO14001(環境マネジメントシステム)の認証取得は可能です。ISO14001は、組織として環境に関するルーティンを構築することであって、ISO14001に従ったルーティンが構築されていれば認証されることになります。また、消防法で認められたハロンの設置そのものを否定することはできません。