不活性ガスに分類される二酸化炭素同様、汚損が無い上に二酸化炭素より消火能力が優れているため、特に電気設備、電算機、博物館、電話交換機、溶剤類を扱う実験室によく用いられていました。
ハロンは、このハロゲン化物の一種です。
従来から広く消火剤として使用されてきたハロン1301、1211及び2402については、オゾン層破壊のため1994年から生産は全廃されました。同年「ハロンバンク推進協議会」(現在の消防環境ネットワーク)が設立され、既生産済みのハロンをデータベース化し、不要となったハロンは積極的に回収することにより、みだりに大気へ放出されることが抑制されています。また、優れた消火性能を有するハロンはリサイクルされ、既設設備への再利用がされていると共に、クリティカルユース(必要最小限の使用)と判断された部分への新設が認められています。
2001年には、新たにオゾン層を破壊しない2種類の消火剤HFC-23とHFC-227eaが追加されました。
また、2010年には非常に低い地球温暖化係数の消火剤FK-5-1-12が追加されました。
ハロゲン化物消火設備の設置対象物及び構成等は、不活性ガス消火設備と同様ですが、消火原理は、燃焼の連鎖反応を抑制する負触媒効果によるもので、消火剤には、以下の種類があります。
種類 | 名称 |
---|---|
ハロン1301 | ブロモトリフルオロメタン |
ハロン1211 | ブロモクロロジフオロメタン |
ハロン2402 | ジブロモテトラフルオロエタン |
HFC-227ea | ヘプタフルオロプロパン |
HFC-23 | トリフルオロメタン |
FK-5-1-12 | ドデカフルオロー2-メチルペンタン-3-オン |